法の下の平等

結婚披露宴の会場にて

みほ:「これであずみもようやくゴールインできたわけだ。」

クミコ:「前の旦那さんと別れてからすぐ今のご主人と暮らし始めたのに、半年もたった今頃、ようやく入籍して披露宴なの?」

みほ:「本当は、もっと早く式を挙げて入籍したかったらしいんだけど、再婚禁止期間【民法第733条「女は、前婚の解消又は取消しの日から六箇月を経過した後でなければ、再婚をすることができない。」】があるから半年待たなきゃいけなかったんだって。」

クミコ:「半年なんて長いよね。あれっ?でも、今のご主人は、前の奥さんと別れてから3ヶ月くらいしかたってなんじゃない?」

みほ:「男の人は、別れたらすぐに再婚できるのよ。」

クミコ:「ええっ?どうして?どうして女性だけ半年待たなきゃいけないの?」

みほ:「嫡出推定というのがあって、別れてから300日以内に生まれた子どもは、別れる前の夫の子どもと推定されるの。一方では再婚してから200日たってから生まれた子どもは、後の夫の子どもと推定されるの。別れてからすぐ女の人が再婚して、再婚後200日以上たってから子どもが生まれたら、別れる前の夫の子とも、後の結婚の夫の子とも、推定されてしまうの。つまり推定がダブるのね。だから女の人は、半年再婚を待たなければならないんだって。」

クミコ:「ええっ?でも推定がダブらないようにするには、離婚してから100日間あけて再婚すればいいじゃない。再婚禁止期間は100日で十分なはずよ。それにDNA鑑定すれば、誰が父親か証明できるんだから、再婚禁止期間なんかいらないわよ。女だけ半年も待たなきゃいけないなんて、不平等よ!法の下の平等っていうけれど、まだそんな規定が残っているの?男尊女卑じゃない。男の人はずるいわよ。」

シンジ:「まあ、そういうなよ。これでも大分差別はなくなってきたんだから。昔なんか、士農工商とか、被差別部落民とか、江戸幕府が差別を助長していたんだから。」

みほ:「アメリカや南アフリカでは、有色人種が差別されてきたし、今でもなくなっていないわよね。」

シンジ:「アメリカでは、独立宣言で『自由・平等』って宣言しているのに、ちっとも守られていないよね。」

クミコ:「日本で女性に選挙権が与えられたのは、戦後、新憲法になってからじゃない。再婚禁止期間は未だになくらならいし。」

シンジ:「差別はそれだけじゃないよ。うちのお父さんなんか、お祖父さんがどこぞの財界人とかで、お祖母さんと結婚せずにできた子ども【注:非嫡出子(ひちゃくしゅつし)】だから、お祖父さんが亡くなったときに、本妻の子の半分しか遺産をもらえなかったんだよ。【民法第900条非嫡出子の法定相続分は、嫡出子の半分】」

みほ:「同じお祖父さんの血が流れているのに、不公平よね。」

シンジ:「選挙の一票の価値の不平等だってひどいもんだよ。うちの参議院選挙区の一票の価値は、日本で一番軽くて、一番重い選挙区の5分の1以下だよ。」

クミコ:「あらっ!キャンドルサービスに来たわよ。あずみ、おめでとう!」(拍手)

みほ・シンジ:「おめでとう!お幸せに!」(拍手)

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